令和5年度開発協力プレスツアーの実施

令和5年11月30日
 11月22日から24日までの日程で、現地メディア向けプレスツアーを実施し、新聞・テレビ3社3名のジャーナリストとカメラマンが参加しました。
 本年は、第2回グローバル難民フォーラム(GRF)が12月に開催予定とされており、日本及びウガンダは共同議長国として選出されています。これまで我が国が重点分野として取り組んできた、難民受け入れ地域の社会的安定及び生活環境整備支援、加えて、我が国が重点分野として取り組んできた保健・教育分野にも焦点を置き、我が国の多様な支援現場を視察・取材してもらうことで、日本の開発協力に対する情報発信強化するためのものです。
建設された外来・救急棟
病院職員の話を聞く福澤大使
 【北部ウガンダ地域中核病院改善計画】
 23日、一行は、北西部アルア県にある、アルア県地域中核病院を視察しました。本案件は、1930年代に建設され老朽化が進んだ施設及び医療機器の整備を行うことで、保健サービス提供体制の強化及び内線の影響を受けた北部地域の復興・周辺国からの難民支援の人道的支援が期待されています。アルア県地域中核病院では、外来・救急棟建設及び超音波やX線撮影装置等が整備されました。
 (本案件は、アルア県地域中核病院以外にグル県及びリラ県地域中核病院も対象としています。)
建設された女性支援センター
女性支援センター内の展示販売コーナー
【ウガンダ難民居住地区における難民およびホストコミュニティ女性の保護支援】
 続いて、テレゴ県にて日本のNGO、ピースウィンズ・ジャパンが実施している「ウガンダ難民居住地区における難民およびホストコミュニティ女性の保護支援」を視察。本案件では、女性性支援センターの建設及び同センターに設置される福祉相談窓口を活用した女性に対する性的ジェンダーに基づく暴力(Sexual Gender-based Violence:SGBV)への対応能力強化、SGBV被害者となり得る女性を対象に精神的自立を目指した生活能力強化を実施しています。生活能力強化として、裁縫、美容・理容及び石けん製作コースを女性たちは受講し、センター内及び市場での販売を行っています。
建設されたニャラ橋
プレスの取材に応える福澤大使
【テレゴ県ニャラ橋建設計画】
 さらに、一行はテレゴ県(旧アルア県)に建設したニャラ橋を視察しました。これまで橋がなかったことで、雨期には通行が困難となり、2か所の対象地域の難民及びホストコミュニティの住人、人道支援関係者は54kmも迂回しなければならない状況に曝されていました。2か所の難民居住区をつなぐ橋を建設することにより、難民及びホストコミュニティが学校,保健センター,市場へのアクセスが可能になり生計向上につながるとともに,地域経済の活性化に貢献することを目的としています。また、難民支援物資の搬入や援助関係者の移動に係る距離が短縮されることで人道支援活動が効率化され,人道支援関係者及び約24万人の難民及びホストコミュニティへ裨益しています。本案件は、国際連合プロジェクトサービス機関(UNOPS)とウガンダ公共土木省が連携し日本政府が資金援助を行ったものです。
建設された理科実験棟
生徒たちとの集合写真
【オモロ県コロ中高等学校における理科実験棟建設計画】
 24日、草の根・人間の安全保障無償資金協力により支援を行った、オモロ県コロ中高等学校へ理科実験棟引渡式参加のため訪問しました。新設された理科実験棟を使用することで、安全基準を満たしていない2教室を理科実験室として使用していた600人以上の生徒たちの成績向上や理解促進に繋がり、適切な理科教育環境が提供されることが期待されます。

 プレスツアー後、各紙・テレビでは日本の開発協力の取り組みが報道され、ウガンダ国民及び周辺国難民の生活向上と経済発展に繋がる日本の開発協力に関するウガンダ国民の理解を深める一助となりました。