在外公館開発広報事業 プレスツアー(ウガンダ北部)報告

2017/9/7
9月4日から7日、現地メディア向けプレスツアーを実施しました。このプレスツアーは、日本の開発協力が現地メディアで取り上げられる機会を増やすとともに、ウガンダの政府関係者、知識層及びウガンダ国民への情報発信を強化するためのものです。この度のプレスツアーでは、「人道と開発の連携」をテーマに、我が国がウガンダで実践している様々な難民支援の現場を訪問しました。
プレス一行は、アルア県、ユンベ県、アジュマニ県を訪れ、技術協力「コメ振興プロジェクト(PRiDe)」、「アチョリ・西ナイル地域コミュニティ・レジリエンス強化のための地方行政能力向上プロジェクト(WACAP)」、国連機関による補正予算案件、平成26年度草の根無償「アジュマニ県ザイピ中高等学校における理科実験棟建設計画」、日本のNGO(AARジャパン及びピースウィンズ・ジャパン)による難民支援現場、及び、対ウガンダ円借款「アティアク-ニムレ間道路改修計画」の視察を行いました。
1日目の様子
1日目は、技術協力「コメ振興プロジェクト(PRiDe)」及びUNHCRが連携し支援しているアルア県地域農業開発機関(Abi ZARDI)を視察しました。同機関は、JICAによる難民及び難民受入地域農家に対する稲作支援の西ナイル地域での拠点となっており、特に稲作において重要となる種子生産を担っています。共同研修受講者は、研修受講後に配布される1キログラムの種もみをもとに、生産量を増やすことを目指します。他の穀物と比べ1キロ当たりの価格が高い米の生産は、難民や農家にとって貴重な現金収入源となっています。同機関では、熱心な所員が稲作をより一層普及すべく、高い品質の種子生産を目指し日々努力しています。日本の稲作支援を通じた難民とウガンダ人農民の生計向上に期待する声が聞かれました。
    
                        Abi ZARDIでの取材風景       日本の支援を通じて供与されたトラクター 

2日目の様子
2日目は、ユンベ県ビディビディ居住区を訪問し、日本のNGO及び国連機関が日本の支援を通じて実施する  難民支援の現場を視察しました。ピースウィンズ・ジャパンは、水・衛生分野の支援を行っています。公共  トイレや給水タンクの設置のほか、太陽光発電を利用した給水システムを建設し、多くの難民に対し水を  供給しています。プレスツアーでは、ピースウィンズ・ジャパンの支援を受けた難民居住区内の村を訪れ、一行は熱心に難民の話に聞き入っていました。また、太陽光発電を利用した給水システムの引渡式も行われ、亀田大使も参加してテープカットが行われました。
 ピースウィンズ・ジャパンの支援先の取材
 
難民を助ける会(AAR)は同居住区内において教育分野の支援を実施しています。プレスツアーでは、AAR
が支援するヤンガニ小学校を訪問しました。ヤンガニ小学校では、サラヤ・イーストアフリカ及びピースウィンズ・ジャパンが連携して開催した、手洗いワークショップを取材しました。子どもたちは、ブラックライトで照らされると手についた汚れが目で確認できるので、正しい手洗いの方法を効果的に学ぶことができていました。また、子どもたちからは手洗いに関する積極的な質問が出るなど、視覚的にも楽しいワークショップを通じて手洗いに対する関心、理解が深まったようでした。
手洗いワークショップの様子
 
3日目の様子
3日目は、ナイル川をフェリーで渡り、アジュマニ県に移動し、同県内において実施されている地方の行政能
力向上を支援する技術協力プロジェクトWACAP及び稲作を支援する技術協力プロジェクトPRiDeの取材を行いました。WACAPでは、アジュマニ県を含むウガンダ北部(アチョリ及び西ナイル)地域の県や準郡関係者に対し、予算計画の策定能力向上支援等を実施しています。この日の取材では、アジュマニ県の次席行政官が同プロジェクトの成果を報告したほか、大小18の難民居住区を抱える県として直面している問題点等について発表しました。次に、PRiDeで設置された稲作のほ場(モデルファーム)の視察を行いました。このほ場は、今年7月にアジュマニ県のミレイ難民居住区内に開設され、周辺地域の難民やウガンダ人農家に対する研修場所としても利用されています。PRiDeを通じて稲作研修を受けた難民からは、生産したコメを販売し得た収入によって家族の食費や子どもたちの教育費を賄うことができるようになったと感謝の声が聞かれました。ほかの穀物と比べ販売価格の高いコメは、難民やウガンダ人農家にとって貴重な収入源となり、生活の質の向上に寄与している様子を見ることができました。                             
難民居住区内に開設された稲作のほ場訪問

4日目の様子
4日目は、草の根・人間の安全保障無償資金協力(GGP)を通じて理科実験棟を建設したザイピ中高等学校を訪問しました。同校は、アジュマニ県の難民居住区に隣接する公立校で、難民の子どもたちも受け入れています。ウガンダでは、理系科目の授業が必修となっているものの、財政難から理科実験棟の整備が追い付いておらず、十分な授業が行われていません。新規建設された理科実験棟は、化学、生物、物理の3科目用の3教室を備えています。同校の先生からは、理系科目の教育環境改善に対する感謝の声が聞かれました。

理科実験棟での取材

また、プレスツアーの締めくくりに、対ウガンダ円借款「アティアク-ニムレ間道路改修計画」を通じて建設された道路に立ち寄りました。ウガンダ国内のアティアクから南スーダン国内のニムレまで伸びるこの道は、貿易や人の往来に欠かせない幹線道路です。取材中、大きなトラックが荷物を運んでいる様子をみることができました。
アティアク-ニムレ間道路
 
プレスツアー後には、我が国開発協力の取組が報道されました。多くの庶民が目にするテレビや新聞で開発協力事業が取り上げられることで、ウガンダ国民の我が国開発協力事業への理解もより一層深まったのではないかと思います。                                                             
                                                                                                         
                                                                      
関連リンク(外部サイト)
1 プレスツアー後にアップロードされたUBCの放送
(1)(英語)Bidibidi Refugees Receive Water from Japanese
(邦訳:「ビディビディの難民が日本から水を提供される」)
https://youtu.be/UzFgNnsesdU
(2)(英語)Life of a Refugee Farmer in Uganda
(邦訳:「ウガンダの難民農家の生活」)
https://youtu.be/IH7YD1nWRSo

2 プレスツアー後に掲載されたウェブ記事
(1)(英語) Japan builds sh356m science lab for Adjumani school
(邦訳:「日本が356億シリングの理科実験棟をアジュマニ県内の学校に建設」)
https://www.newvision.co.ug/new_vision/news/1463256/japan-government-builds-sh356m-science-lab-adjumani-school
(2)(英語)Japanese aid W.Nile special needs refugees
(邦訳:「日本人が西ナイルの特に支援を必要とする難民を支援」)
https://www.independent.co.ug/japanese-aid-west-nile-special-needs-refugees/

3 このほか,我が国のウガンダにおける難民支援に関する記事
(1) (英語)Japan fulfills sh35.9b pledge towards S. Sudan refugee efforts
(邦訳:「日本が35.9十億シリングの難民支援に関する約束を果たす」)
https://www.newvision.co.ug/new_vision/news/1460471/japan-fulfills-sh359b-pledge-sudan-refugee-crisis