在外公館開発広報事業 プレスツアー(ウガンダ北部)報告

2016/7/25
7月21日から23日、現地メディア向けプレスツアーを実施し、新聞3社3名のジャーナリストが参加しました。このプレスツアーは、日本の開発協力が現地メディアで取り上げられる機会を増やすとともに、ウガンダ共和国の政府関係者、知識層及びウガンダ国民への情報発信を強化するためのものです。7月21日から23日、現地メディア向けプレスツアーを実施し、新聞3社3名のジャーナリストが参加しました。このプレスツアーは、日本の開発協力が現地メディアで取り上げられる機会を増やすとともに、ウガンダ共和国の政府関係者、知識層及びウガンダ国民への情報発信を強化するためのものです。

プレス一行は、ウガンダ北部に位置するグル県、アガゴ県、及び、リラ県を訪れ、草の根人間の安全保障無償資金協力(以下:草の根無償)「グル県オビヤ小学校における女子寮建設計画」、「カロンゴ病院手術棟建設計画」、「アガゴ県カロンゴ小学校における女子寮建設計画」、「アガゴ県におけるアクワン中高等学校における理科実験棟建設計画」、「アガゴ県における安全な水へのアクセス向上計画」の視察を行いました。

1日目の様子

取材を受ける亀田大使
大使とグル県知事による会談
1日目は、「グル県オビヤ小学校における女子寮建設計画」を視察しました。ウガンダでは,女子生徒は伝統的に重要な家族の働き手であるため,家庭の仕事を優先することも多く,通学中に危険な目に遭うこともあるため,授業の欠席や早期退学者が多いことが課題です。同プロジェクトでは,こうした課題を解決するため,女子生徒の安全な生活・学習環境の確保を目指し,建設途中だった女子寮1棟を完成及び同女子寮に必要となる家具の整備を行っています。視察では,現在ほぼ完成している女子寮を視察するとともに,亀田大使と校長先生及びグル県の関係者との会談が行われました。女子寮への期待の声が同校関係者からジャーナリストに伝えられ,この訪問の様子は地元ラジオ局でも放送されました。さらに,亀田大使からは本プレスツアー後の8月27日及び28日に開催されたTICAD VIに触れ,我が国のアフリカにおける開発協力に関する説明を行いました。

2日目の様子

2日目はアガゴ県内以下4つの草の根・人間の安全保障無償資金協力案件の視察を行いました。各プロジェクトのポイント及び視察概要は以下のとおりです。
(1)平成24年度案件「カロンゴ病院手術棟建設計画」
県内で手術が必要な患者を多く受け入れている同病院では,1957年に建設された手術棟を使用していたため,安全面の問題を抱えていました。同プロジェクトでは,手術棟1棟を建設し,同病院を訪れる手術患者(年間約2,400人)及び緊急手術を受ける妊婦(年間約400人)に対し,衛生環境の改善及び安全性を確保しました。視察では,建設された手術棟によって安全で衛生的な手術環境が整い,多くの患者に裨益している様子を見ることができました。入院患者及び病院関係者から多くの感謝の声が寄せられました。
   
                     アガゴ県カロンゴ病院による歓迎       手術棟内での取材の様子

(2)平成27年度案件「アガゴ県カロンゴ小学校における女子寮建設計画」
県内最大級の生徒数を誇る同校では,500名近い学生を寮生として受け入れていますが,既存の寮の老朽化が激しく安全面で大きな不安を抱えていました。特に女子生徒は通学中に危険な目に遭うことも多く,安全な生活・学習環境を確保するために,新規女子寮の建築が不可欠でした。このため,同プロジェクトを通じ,新規女子寮を整備することとなりました。視察団は,同校生徒による盛大なダンスによって迎え入れられ,同校校長先生から女子寮の建設の進捗の説明を受けました。
      
                      アガゴ県カロンゴ小学校による歓迎          取材中の記者

(3)平成27年度案件「アガゴ県アクワン中高等学校における理科実験棟建設計画」
ウガンダでは産業発展のために理系科目の教育が重要視されていますが,地方の多くの学校には安全基準を満たす理系科目用の教室設備がありません。アクワン中高等学校には理科実験室がないため,一般の教室で理科実験を行っており,安全面での不安を抱えていました。さらに,設備が不足しているため,高校レベルでの全国統一試験を実施することができませんでした。同プロジェクトでは,適切な理科教育環境を提供するために理科実験棟の建設を行っています。視察では,同校の先生から新規理科実験棟に対する期待の声が寄せられました。工事は順調に進んでおり,完成も近づいています。
      
                         建設中の理科実験棟             建設が順調に進んでいる

(4)平成25年度案件「アガゴ県における安全な水へのアクセス向上計画」
同プロジェクトが実施されたコトモール準郡は,アガゴ県内でも僻地に位置しており,主要道路からのアクセスも困難なことから,ウガンダ政府やドナーによる支援が届いておらず,安全な水へのアクセス率は50%以下でした。多くの水汲みの担い手は女性や子どもであり,水汲みに一日の大半が割かれることにより,家庭内暴力や中退などの問題の原因となっていました。さらに,安全な水へのアクセスが困難であることから,水因性疾患も増加していました。このプロジェクトでは,15村を対象に深井戸を建設し,女性や子どもの水汲み作業の負担軽減及び水因性疾患の減少を目指しました。視察では,15か所の井戸のうち,3か所を訪れ,地域住民が水汲みをしている様子を取材しました。住民からは,井戸が設置されたことで,水汲み作業の負担が軽減されたという声が聞かれ,新聞記者からは井戸の管理や利便性に関して積極的に質問がなされました。
      
                    アガゴ県の井戸建設案件の取材の様子          水を汲む女性

 

3日目の様子

3日目は,リラ県を訪問し,平成26年度案件「リラ県における感染症病棟建設及び救急車配備計画」の進捗を視察しました。リラ県では,結核が最も多く報告されている感染症であり,感染疑いを含めると,年間1,000件以上のケースが報告されています。しかしながら,リラ県の地域中核病院以外で感染症病棟を有する病院はなく,院内感染が問題となっていました。また,緊急移送にはこれまでバイクタクシーが用いられており,患者を安全に移送することができず,問題となっていました。このため,同プロジェクトでは,ペンテコステ派アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団(PAG)ヘルスユニット・リラに感染症病棟を建設するとともに,救急車を配備しました。視察団は,現在建設中の感染症病棟を取材するとともに,同案件で調達された救急車で搬送された患者から体験談を聞くことができました。患者からは救急車によって迅速な処置をしてもらうことができたため,命拾いをしたとの感謝の声が聞かれました。
    
                       救急車を利用した患者への取材          供与された救急車

報道

プレスツアー後,各紙・ラジオ局を通じ,我が国開発協力の取組が報道されました。当地主要紙ニュービジョンには,ツアー後の日曜版紙面でアガゴ県内の案件が取り上げられ,その後数日に渡って各案件について報じられました。また,文字を読むことのできない多くの庶民が情報源としている地元ラジオ局でも大使の視察中のスピーチが放送されるなど,幅広い層を対象に我が国開発協力事業に関する情報提供がなされました。TICAD VI開催についても周知することができました。